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Miho Yamazaki

幸村千佳良→東松照明/Roonee 247 Photography→Nikon Salon


ずいぶん長い間blogを更新していませんでした。そして今日もまともに文章が書ける気はしないのですが… 最近本当に慌ただしく、腰を据えて何かをするmodeになれずにいたのです。

先日は、それでも久々に美術館を訪れることができました。ICC @ 初台にてメディア・アートの展示の内覧会が開催されたので、さる方と一緒に紛れ込ませて頂いたのです。何人ものアーティストの方が出品なさっていましたが、その中でも殊に藤本由紀夫氏の作品は興味深く(本当はまずそれについての長文を物したいくらいです… が、真剣に書けばどのくらい長くなるのだろうと思うとまだ手が出せずにいます)、また、氏がレセプションのスピーチで語った言葉「メディアで遊んでもメディアに遊ばれるな」も興味深いものでした。

メディアに対する意識をきちんと持っているアーティストの作品は、デュシャンのそれのように1世紀を経ても廃れることはない—そう彼は語り、そしてそれは事実だと思います。そうした作品は、たとえそこに用いられているメディアが古びても、人間とメディアが築きうる関係のありようについて多くの示唆をくれるからです。

そして今日は、普段何かとお世話になっている「おひげのまぁちゃん」こと幸村真佐男氏のお兄様、幸村千佳良氏の写真展をギャラリー "Roonee 247 Photography" にて拝見した後、人生でほぼ初めてNikon Salon詣でをしました。

Rooneeさんはプロ・アマ問わず使えるギャラリー… とはいえ、展示のクォリティーはおしなべて高いのではないかという気がしています。実際、幸村氏の後には、富山義則氏と写真新世紀グランプリ受賞経験もあるスナップ写真の天才、熊谷聖司氏の2人がグループ展を行うことになっています。

そんな訳で幸村氏の作品もやはり、決してありふれてはいないものでした。リアリティーの頸木から解き放たれて波打つ青の中で揺らめく花々のimagesは、何と写真の合成ではなく、長時間露光とストロボの使用とカメラの移動によって得られるものなのだそう。これを知った時点ですでに脱帽です。結局、写真集まできっちり買ってしまいました(笑)。

ちなみに、次期の熊谷氏×富山氏の写真展については熊谷氏がblogを書いておられます。そちらをご覧くだされば、ある意味で非常に貴重な写真だということがお分かり頂けるはずです(展示、見に行きたいなぁ… 絶対に見に行こう!)。

Nikon Salonへは東松照明が沖縄で撮った未発表写真を見に行きました。氏の写真を何か月か前に絵葉書で見て以来、まとまった量を見たいと思い続けていたのです。

絵葉書で見たのはどこかシュールな、演出とも素のスナップともつかない「美しい」写真でしたが、今回の展示作品の雰囲気はもっとさらりとした感じで、構図もいい意味でラフでした。

普段着の写真。

発表された彼の写真の裏にはそのような—余分なことは脇に置いてかけがえのない瞬間や存在をただひたすらに追った—写真が、今日ここで見ているものに限らずたくさんあるのだろうと思い、いい写真は世界への愛で裏打ちされているというあまりにもナイーヴな自説が立証されたような気がして、じんわりと感動しました。

でも、そういえば…

最近買ったこの写真集も、少しそんな感じかもしれません。

刹那の都市・上海を抱きしめる。

俯瞰が多いので東松氏のものよりも一見突き放した感じに見えるかもしれませんが、それはむしろ現代的洗練と捉えられるべきでしょう。一推し!

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