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Miho Yamazaki

あり得たかもしれないGoghとあり得るかもしれないGogh


こんにちは、

のっけから眼ヂカラ過多の写真で失礼致します! (笑)

来たる10月24日から2018年1月8日まで、上野は東京都美術館にて「ゴッホ展 巡りゆく日本の夢」展が開催されます。詳細につきましてはこちらをご覧頂きたいのですが、彼の日本的なるものへの思いや、彼と日本との具体的なつながりを紐解く展示がなされるようです。グローバリゼーションの中で西洋を軸として美術史を編んでいくことの問題点が浮き彫りにされたり、その限界が見えてきたりしている現在、このような展示を行うことはとても意義深いと思います。

また、私個人としては展示と並行して行われる『ゴッホ  最後の手紙』の上映にも興味があります。

「ゴッホタッチの油彩画」がアニメーションとなって動くのですが、その主人公はゴッホ自身です。彼の絵画そのままの背景の中で彼が動いている、というのは、考えてみるととても不思議です。通常、作品は作者の中から出て作者から切り離されます。それがこの映画では、そうしてできた作品の世界が膨張し、再び作者を飲み込んでいくのです。

奇妙な逆回転はそれだけではありません。動いている世界を停めるための手段でもあったかもしれない絵画に動きを与えている、そのこと自体が何よりも不思議です。ゴッホの絵は烈しくありつつも、どこかストップモーションのようなところがある、と私自身思っているだけに、この不思議は、私にはいっそう大きく感じられます。

とはいえ、真実は分かりません。私の目には現実を停めたい欲望から描かれたかに見えるそれらの絵画ですが、もしゴッホが現代に生きていればアニメーションに興味を持った可能性もないとはいえません。私たちは、この仮定法の先に展開する世界を見ることになるのだと思います。

※「仮定法の先に展開する世界」につながりそうな話として、10月23〜28日に行われる、今回の展示および映画に関連するこちらの企画「#ゴッホはどこ」もぜひチェックしたいところです♪ :

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→上記期間中に投稿される、ゴッホが映り込んだ (←多分ゴッホの姿を合成している、ということ) オランダの風景写真を見て撮影地を推定

→写真のコメント欄に、その推定撮影地を記入

→正解者には抽選でオランダにまつわるグッズを毎日プレゼント

→参加者にはキャンペーン終了以降もサプライズの可能性が

毎日もらえる方のプレゼントには、ゴッホ展や映画『ゴッホ  最期の手紙』の鑑賞券、ミッフィーとゴッホのコラボレーションバッグ、オランダガイドブック、KLMの飛行機プラモデルなどが用意されているそうです! 個人的には鑑賞券かミッフィーバッグでしょうか…… ミッフィー大好き…

このように期待を膨らませる要素が満載である一方で、不安なところもあります。ゴッホは弟テオに充てた最期の手紙に「われわれは自分たちの絵に語らせることしかできないのだ」と書いているそうです。「ゴッホの言葉通り "絵画によって彼自身を語らせる” 圧巻の体感型アートサスペンス映画」として制作されたらしいこの映画。しかし、言葉に耳を奪われるとき、私たちは本当に絵画の「語り」に目を傾けることができるのか。

絵画の中にしかないゴッホ自身の「言葉」さえもアニメーションの語りに飲み込まれていく危険を冒しているこの映画… 正直、観るのは怖いです。でもだからこそ観たいと思ってしまう。

ゴッホ… 今の私にとっては数いる画家のひとりですが、小学校で絵画鑑賞教室に行ったときに衝撃を受けたのは、確かゴッホの画でした。美術への目覚めの瞬間でした。

最近、自らの根源に触れるようなことによく遭遇します。知人の結婚式で突如、自分の母方の祖母のことを思い出したり、今年の春以来懇意にしている美術作家さんの作品がかつての研究テーマとつながっていたり。私がこれからゴッホの映画やゴッホ展を観に行くとして、もしかするとそれも、過去と未来をつなぐ扉を叩く行為のひとつなのかもしれません。

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